8月


 今回はツアー旅行。と言っても決まっているのは往復の飛行機と宿泊先、レンタカーの利用である程度自由の利く旅行。
 少し遅れての盆休みで、いつもの盆休みより人は少ない目。
 仙台空港に午後3時ごろ到着、直にレンタカー会社の窓口に、車のあるところまで送迎してくれる。車で3分ほどの距離、手続きや説明の後、車に乗り込んだのが
3時半をまわっていたと思う。
 1泊目の新安比温泉まで約270Km、東北自動車道をひたすら走り、約3時間、何処にも寄らずに安代インターで降りると、5分もせずに目的地に到着。事前に地図では確認していたが、カーナビがうそをつかずに案内をしてくれた。今回のカーナビは正直なので付き合っていけそうだ。
 大浴場は5階、温泉は1階、最初に大浴場に入るが入浴客は私1人、のんびりと入浴するがここは温泉では無いらしい、しかも高速道路とはほぼ同じ高さ。此方からまともに車が見えるということは向こうからも!
 ホテルは人里離れた所にあり食後は部屋でおとなしくしている。昨日まで夜更かししていたせいか、なかなか寝付かれない。
 0時前後に夜空を見に部屋を出る。生憎雲が多く、星は少ししか見えない。しかし雲の動きは南から北へと早い。
 ホテルは小高い山の裾野にあり、山からの吹き降ろしの風が涼しくて気持ちがよい。
 しばらく見ていると雲は晴れ、星空が見えた。しかしその数は想像していたよりも少ない、周囲が思いのほか明るいのか、此方の白内障のせいか?それでも久しぶりに星空を見上げた。星座の知識は皆無だが星空を「きれいだな」と思えた。

 朝起きて今日の行き先を決める。出発前までは乳頭温泉、玉川温泉のコースを予定していたが八幡平から玉川温泉へのコースに変更。
 今度の旅行の第一目的地は玉川温泉なので玉川温泉ははずせない。
 まずは八幡平の松川温泉へ。昨日降りた安代インターから東北自動車道を南に松尾八幡平インターで降りる。
 松川温泉には10時ごろ到着日帰り入浴を尋ねるとOKなので入湯。露天風呂は2つあり、女性専用の風呂と男性用の露天風呂は入り口は違えど混浴であった。先客が1人(男性)いたが乳白色のお湯の中でゆっくりと過ごした。私が出て着替えを済ませたころ、女性客数人が混浴に入浴しに来た。
 一路八幡平へ、途中松川温泉地熱発電所があるらしいので寄って見る事にする。
                     
                           


 地熱発電所は3箇所目なので特に目新しいものは無かったが、此処が日本で最初の地熱発電所だそうです。案内所の建物の横で地熱発電の仕組みとしてボタンを押せば蒸気が噴出しタービンを回す模型があった。ボタンを押すたびにシューとかなり大きな音がする。
 今までの地熱発電所から見て1基だと思うのですが、発電能力は大きかったと思う。
 この発電所に行くのに松川温泉から十数分かかったと思ったのですが写真手前のパイプラインの先を見ると松川温泉が見える。かなり遠回りをしたようだ。
 松川地熱発電所を出て、八幡平樹海ラインを走る。途中籐七温泉がある。地図では左手側なのだが右方向にも籐七温泉の案内板があったので寄ってみる。

   

 ここは籐七温泉の蓬莱荘との事ですがごらんの通り現在は使われていなかった。 代わりにハイキングコースの案内板が
 案内板で見える様に樹海ラインから八幡平頂上へ行くコース(黄色の線)ではやはり左側に籐七温泉はある。ここを出発して籐七温泉に着いたが、先ほど松川温泉に入ったばかりだし、相当数の人が居り露天風呂も丸見えだったので今回入湯は見合わせた。
 そこから少し上ると車1,2台が置けるような場所があり、その場所から下を見ると2つほどのお湯が溜まったような所が見えるので降りてみる。道の途中はそこらじゅうから水が出ていて土が軟らかくなっていて滑りやすい。気をつけて降りるとやはり1つは無料の温泉のようだ湯船の中にすのこが敷いてあった。もう一つの方に行ってみると周りには小さいながら、温泉や湯気を噴出している。ちょうど足湯にできるようなところがあったので足をつけてみたが熱かったのですぐにやめた。ホースでお湯を入れているのかと思ったがそのホースは水を入れていた。水の入っている辺りはちょうどよい温度なのですが離れた所は熱かった。
 八幡平山頂レストハウスに着く。今日の出発時点ではカーナビに松川温泉を入れ、松川温泉到着後、玉川温泉を入れた。山頂レストハウスに着く前にカーナビは「その先70mで左です」といったがハンドルを右に切ってレストハウスの駐車場に入る。カーナビは「この運転手は右も左もわからん奴」と思ったのか黙り込む。
 レストハウスで休憩の後、山頂目指してハイキング。途中数箇所見晴らしのよいところに出る。
 気温はかなり上がっているようだし汗もかくが、吹く風がひんやりしていて気持ちがよい。

  
 

 

 やっと山頂に到着。標識の右横に見える階段を上ると展望台になっている。日差しはきついのですが吹く風が冷たくて気持ちがよい。帰りは別コースを取る。このコースは一部急な降りになっているがその分距離は短い。
 途中にコースガイドさんのような人の入った数人のグループが案内を受けていて「この穴は何故できたかわからないが周辺部より気温が低いので7月に咲く衣笠草が花の終わりですがまだ咲いています」と言っていたので写真に撮って見た。
 元のレストハウスの駐車場に戻ってきても

      

 この様な展望台があるので上って見ると、そこからは
岩手山(間違いないと思う)が見えた。
 レストハウスを出て先ほどカーナビの云っていた道に出る。カーナビは不機嫌なのか何もしゃべらない。
  少し走った所右側に
「ふけ温泉」の案内板、やはり好奇心に引かれて別の道に、カーナビは相変わらず何も言わない。相当機嫌が悪いみたい。
 
  
   


 「ふけ温泉」は「蒸温泉」と書く。少し下ったところ左手に温泉の建物があり右手に露天風呂がある。車を止めて右側の露天風呂見物に。山や川のそこらじゅうから湯気が立ち込めている。その中に露天風呂が3箇所ほどあった。
 先を急ぐので見学のみにし出発。元のアスピーテラインに戻ると直に左手に「大蒸温泉」の案内板があったが此処には寄らずに先に進む。
 途中には後生掛温泉、大沼温泉、地熱発電所、トコロ温泉などの案内板も無視し一路玉川温泉に向かう。カーナビが機嫌を直したのか、「この先700mで左折です」としゃべりだした。素直に左折。
 20分ほど走って玉川温泉の入り口に着く。そこにはガードマンらしき人が立っていて「駐車場はいっぱいだが時間待ちをするのであれば下りて行っても良い」との事だったので下りて時間待ちをする。その間に駐車場の管理人さんと話をすると「このあたりは県の管理地で駐車場も県が管理をしていて無料だが6時に閉めるので必ず6時までには戻るように」との事だった。先ほどのガードマンに見えた人も駐車場の管理人も皆さん県の職員さんだった。そして「お盆の時は非常な混雑だったが、今はだいぶましになった」のだそうだ。
 20分ほど待つと駐車場に入れた。車の中で岩盤浴に適した服装に着替える。駐車場から下って行くと

 
  

 左側に台湾の北投温泉で初めて発見され日本ではここでしか産しない鉛とラジウムを含む北投石、特別天然記念物に指定されていると言う案内板が掲示してあった。右側は温泉の川でかなり熱いのでしょう、湯気をあげながら流れている。
 そのすぐ先には


   

 ぼこぼこと湯気を上げて吹き出ている源泉があり、ここが川の始まりのようです。、湯気が激しく風向きの良い時を狙って写真を何枚か撮ったのですがなかなかうまく取れませんでした。
 
   

 もう少し歩くと、ごつごつとした山肌のそこらじゅうから蒸気を上げていて、地肌を手で触ると夏の日差しもあったのでしょうが、「熱い!」
 写真に見える緑色のテントの中ではゴザを敷いて、ところ狭しと沢山の人が岩盤浴を行っています。テントの中以外にも岩盤浴をしている人はそこら中に居ました。緑のテントの写真に写っている道を左に行くとその写真の右側のとことを通り

   

 縦長の写真の川に出ます。ここもやはり温泉で私はしばらく足を浸けていたのですが熱くなってやめました。P.Hは余りきつくなかったのでしょう、ぴりぴり感はありませんでした。
 次の写真の看板に書かれているような植物は見かけせんでしたが、ここらは地熱でかなり暑いのですが吹く風は冷たく

   

 8月中旬だと云うのにススキが穂を出していました
 その帰り道最初に通った湯気をあげて流れる川の少し下手、木の枠を組んだ所に温泉水を流している。確か草津温泉も同じようなことをしていた。後で温泉浴場の土産物店で聞いたのですがここで湯の花を取っているのだそうです。
 この写真右手一番端に写っている建物が温泉浴場で、浴槽は数箇所あり1箇所だけが100%のお湯を張っていて、他は50%と明示してある。湯量が豊富にあるのに何故そんな風にしているのかと思ったのですが
、浴槽に入ってみて始めて判った。
 とりあえず50%の浴槽に入り何気なく温泉につかった手で顔を触ったら、ぴりぴりする。そうだここは酸性がきついのだ。しばらくして浴槽を出ると体もぴりぴりする。酸性がきついと云っていた草津温泉でもこんな感じは経験しなかった。直に体を洗う事にする。私にはとうてい100%の湯船には入れない、とうとう最後まで100%の湯船は経験しなかった。
 その後入った土産物売り場では、岩盤浴用の「ござセット」や1日30セット限りと書かれたピンク色の「湯ノ花」、等が売られていた。特に30セット限りと書かれた「湯ノ花」が気になったので聞いてみると、使ってはいけないのだそうだ、浴槽を痛めるし流してはいけない成分も含まれているらしい、「では如何するのですか」と尋ねたら「飾り」だそうです。
 売店を出て出店で「玉こんにゃく」を買い食べながら車に。
 これで今回の第一目的を果たした。
  今日の宿舎の十和田湖に向かう。カーナビは機嫌よく順調に進路を教えてくれる。大湯温泉の温泉街に入る前に

            

 大湯環状列石(詳しくはリンク先へ)を見る。私なら国道を走っていたかも知れないのでこれもカーナビのお蔭かも、そういえば東北地方には数箇所(それ以上かもしれないが)環状列石が有った筈、帰ってきて地図で調べると今日通って来た松川温泉までの所に釜石環状列石が、小さなものらしいが見ておけばよかった。今回はひょっとすると「・・・・ツアー」になるかも。大湯温泉街も素通りし十和田湖へカーナビは「目的地付近に付きました案内を終了します」ピーンといって沈黙。
 夕暮れ時に十和田湖着。十和田湖では「盆踊り」が開かれていて、私が見た時間は始まったばかりだったが、可愛そうな位人出が無かった。十和田湖でも温泉が出たらしくここの風呂は温泉だった。
 今日はこれで就寝。
 
 出発する前の予定では今日は白神山地、12湖の訪問だったが、八戸、北山崎、浄土ヶ浜、時間に余裕があれば釜石と決める。
 カーナビをセットし国道454線を八戸へ暫く走ると「ピラミッド、キリストの墓」の看板が。そう云えば確かに子供の頃(青春の頃かな)ミステリー誌で読んだ覚えがある、確か「戸来村(ヘブライと読める書いてあった)にキリストの墓がある」(戸来(ヘライ)村は現在新郷村)と云うことを。しかしピラミッドは聞いた事がない、これは見てみるしかない。今回の旅行は「ミステリーツアー」になりそうだ。
 案内板の通りハンドルを左に切るカーナビは沈黙、あれ間違ったかなと思うぐらい走ってスピードを落とした所に「ピラミッド」の矢印が、そこからは未舗装の道の入る

 
  


 最初に建て看板が(Web上で探したら、たいていの人がここで巨石群を見て終わっているのですが)ピラミッドは此処からさらに600mほど先らしい、ほどなく右の案内板がありここからは徒歩になる。此処まで来て帰るのは癪だし、ミステリーツアーにもならないから登ることに。しかし車の置く場所も無い。幸い小型のレンタカーなので大型のトラックでも来ない限り大丈夫だろうし、此処を大型の車が通るはずも無いと判断し山側に寄せて止める。。少し険しく滑りやすい(条件悪い)山道をこれが200mか?と思うほど登り、やっとそれらしきピラミッドと思える石に出会う。たった200mなのに日頃の運動不足のためか大汗を掻く。

    


 予想はしていたものの「これが?」と思えるようなものであった、とは言え本当に古代人が人工的に運び込んだものならたいしたものである。
 ピラミッドの上に登るとここも涼しい風が吹く、1方向だけだが見晴らしも良い。
ふと足元を見ると岩にくぼみがあり
何を祈って出したのか賽銭らしき小銭が。もちろん盗るような事はしなかった(写真には撮った)があえて足す事もしなかった。
 この大石神ピラミッドのことはリンク先でご覧下さい。

    

 さて、次はキリストの墓(もう既に大変長いページになっているから此処で詳しい説明をする気は無いので詳しい事を知りたい人はリンク先でご覧下さい)此処は駐車場から2、3分歩いた所にある。それにしてもキリストに弟が居たのは初耳だった。
 大分予定の時間をオーバーしたがこれから八戸へ向かう。この間はカーナビはおとなしくしていた。
 カーナビがしゃべりだし、八戸村じゃなかった八戸市に到着、漁港で揚がった魚を食べさしてくれそうな所を探すが見当たらず、八戸では何も見ずに久慈市に向かう。ここでも同じ行動をするが見当たらず国道の適当な所で昼食をとることにする。
 天候が怪しくなり小雨や霧が出てくる。三陸海岸国立公園を走っているのに景色が見えない。これでは「北山崎」景色は?
 北山崎に着き車を止め展望できる所に着くと「あーら不思議今までの霧が嘘のように晴れ、写真で見るような景色が眼下に広がる」と書きたいのだが、いくらピラミッドに登り、キリストの墓を見てきた(拝んだとは云わない)とは言え奇跡は起こらない。写真も撮ったのですが写っているのは見事なぐらい霧だけ。晴れるまで待つ事も無く、一路浄土ヶ浜へ。

  
  

 浄土ヶ浜では霧の影響もなく、きれいな海岸を見渡せた。海水はきれいで景色も良かったが無粋な事に定置網のオレンジ色の浮きがいくつも浮いていた。観光地で人を呼ぶならもう少し考えて欲しい。海辺の観光地でいつも思うのですが観光で生活する人と漁業で生活する人(地元の人)がもっと話し合ってよい方法を見つけて欲しいと思うのは私だけでしょうか。
 今回のカーナビは賢く、うるさい事は言わずに道に迷う事もなく移動はスムーズに行ったが寄るところが多かった。この時間からでは釜石に寄ることはできない、今回の第二の目的地である「浄土ヶ浜」も見たし、今日の宿泊地の安比高原まではそこそこの距離もあるので盛岡を経由して安比に向かう。
 安比高原のホテルは立派なホテルではあったが、フロントで「クーラーはありません」と言われたので「必要がないのですね」と聞いたら「今年は暑いです」「窓を開けて扇風機を用意しておりますのでお使い下さい」と言われた。部屋に入ってみると、窓は外に向かって開くようになっているので危険防止のためか少しか開かないし風もほとんどない。一晩中扇風機をかけて寝たがクーラーに慣れた体には暑くて汗をかいた。隣接した部屋のドアを見ると数箇所のドアが少し開いた状態にしてあった。皆さん暑かったのでしょう。
 
 今日はこの旅行の最終日。「乗る飛行機は午後1時台の便、飛行場は仙台空港」、「今居る所は安比高原」、「距離は約250Km」、「レンタカーの返却もしなければならない」、などと考えると朝早く出発しても寄れる所は1、2箇所、少なくても2箇所目は仙台空港の近くでなければならない。
 行ってみたい所は岩手山「焼走り」と名前を聞くと直に2003年の湯の川温泉の事を思い出さされる石川啄木記念館。時間的には1箇所しか行けない。
  
  

 どちらに行ったかは写真の通り、カーナビ様のおっしゃる通り。名前には苦い思い出があるが本人のせいではない。朝9時少し前に到着。まだ開館していない。少し待つと職員が次々と来る。本日の来館者1番乗り、一通り館内を見て周り、館の横の道からブロンズ像の脇を通って当時の渋民尋常高等小学校(写真正面)と民家が移築してあった両方とも入る事ができる。
 さあ一路仙台空港に、時間があれば仙台市内で見学もと考えたが、さほどの余裕もなさそうだ。此処はカーナビ様よろしくお願いします。
 遅れるような事はなかったが、よそに見学に行くほどの余裕もなくレンタカー会社に到着。保険を使うような事犯もなく無事返却。カーナビさんさようなら。
 
今回の道中記もこれでおしまい。又書き込める事を、書く本人が一番期待しております。